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文豪ディケンズの小説を映画化「どん底作家の人生に幸あれ!」作品レビュー 1/22公開

  • 2021年1月9日

作品紹介

文豪ディケンズの半自伝的傑作小説を映画化。英国屈指の豪華キャストで贈る、山ありオチあり波乱万丈ストーリー!原作は19世紀イギリスの国民的作家で、今年2020年が没後150年にあたるチャールズ・ディケンズの代表作「デイヴィッド・コパフィールド」。文豪自ら「著作の中で一番好きだ」と公言していたこの小説は、ディケンズの自伝的要素が強いことでも有名で世代を問わず世界中から愛されている。

メガホンをとったのは、『スターリンの葬送狂騒曲』のアーマンド・イアヌッチ監督。チャールズ・ディケンズの長年のファンであるイヌアッチ監督は「ディケンズの第8作目である『デイヴィッド・コパフィールド』を読み返したとき、これは現代に通じる物語だと感じた」と映画化を決意。人間の不屈の精神を讃える名作をコミカルによみがえらせ、国境がなくなりつつある現代に合わせ、世界中の演劇界や映画界から色とりどりの豪華キャストを迎えた。主人公デイヴィッドを演じるのは『LION/ライオン~25年目のただいま~』『ホテル・ムンバイ』のデヴ・パテル。不遇な少年期を過ごしたデイヴィッドを助ける裕福だが気性が激しい叔母役に『サスぺリア』のティルダ・スウィントン、デイヴィッドに付きまとう奇妙な世話係に『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のベン・ウィショーなど名優たちが勢ぞろい!

2019年トロント国際映画祭でのプレミア上映、ロンドン映画祭でのオープニング上映などで注目され、イギリスでは大ヒット!Times紙も「困難をポジティブに変える魔法のような映画!」と絶賛し、映画批評サイトRotten Tomatoes(ロッテントマト)では92%FRESHと高評価(11/2現在)を受ける話題作。2021年は、大笑いと、大粒の涙で、《人生大逆転》の幕が上がる―!

ストーリー

デイヴィッドは少年の頃、周囲の“変わり者”たちのことを書き留めては、空想して遊んでいた。優しい母と家政婦の3人で幸せに暮らしていたが、暴力的な継父の登場によって人生が一変。都会の工場へ売り飛ばされ、強制労働のハメに!しかも里親は、借金まみれの老紳士だった…。 歳月が過ぎ、ドン底の中で逞しく成長した彼は、母の死をきっかけに工場から脱走。たった一人の肉親である裕福な伯母の助けで、上流階級の名門校に通い始めたデイヴィッドは、今まで体験した“作り話”を同級生に披露して人気者になる。 さらに、令嬢ドーラと恋に落ち、卒業後に法律事務所で働き始めた彼は、順風満帆な人生を手に入れたかに見えた。だが、彼の過去を知る者たちによって、ドン底に再び引き戻されようとして…。果たして、デイヴィッドの数奇な運命の行方は!?

すべてを失っても綴り続けた、愛すべき変人たちとの《物語》が完成した時、彼の人生に“奇跡”が巻き起こる―。

作品レビュー

なぜこの人の周りにだけ、奇妙な出来事が起こり続けるのか?想像を超えた風変わりなキャラクターばかりが集まるのか?

この映画を観た人は皆そう疑問を抱かずにはいられないのではないか。主人公デイヴィッド・コパフィールドは奇なる運命の元に生まれついたのであろう。

父親を早くに亡くしながらも、裕福で幸せな幼少期を過ごしていたデイヴィッド。だが母親の再婚を機に容赦ない過酷な状況に追い込まれてしまう。

ひどく理不尽ながらも、物語はあまり暗い部分にフォーカスされていないところが好ましい。そんな暗黒時代も彼にとっては豊かな経験の一部分にすぎないのだと表現されているかのようだ。

未知の場所で幼くして強制労働を強いられ、貧しさのどん底に突き落とされながらも、愉快で強烈な個性の人々と交流しながら逞しく、感性豊かに成長してゆくディヴィッドを応援したくなる。

テンポよく展開される物語に、たちまち惹きつけられてしまう。浮き沈みの激しい彼の環境だが、いつの時も個性の異なる変わった人たちが彼を取り巻いている。個人的には初恋の女性ドーラ嬢が可愛くてたまらない。彼女もやはり変人だが、あんな人が近くにいたらつい構いたくなってしまいそうだ。

古い時代の英国を舞台とした建物や調度品、人々の装いにも味があり、彼らの生活風景にも魅了される。学友のひとりであったユライアの母が作る「重くて濃いケーキ」に興味をひかれた。重くないと食べた気がしないと語るユライアに同感である。

数々の苦難や事件に見舞われ続けるデイヴィッド。状況は困難を極める一方だが、果たして幸せを掴むことができるのか・・・?

波瀾万丈だが、観る人はみな冒険と青春の詰まったデイヴィッドの華麗なる人生に魅了されるだろう。前向きになりたいとき、まさに新年というタイミングにふさわしいおすすめの1本である。

予告動画

「どん底作家の人生に幸あれ!」シアターキノ札幌で1/22公開

■監督: アーマンド・イアヌッチ『スターリンの葬送狂騒曲』
■原作: チャールズ・ディケンズ著 「デイヴィッド・コパフィールド」
■出演: デヴ・パテル『LION/ライオン ~25年目のただいま~』/ピーター・キャパルディ『パディントン』ヒュー・ローリー『トゥモローランド』/ティルダ・スウィントン『サスペリア』/ベン・ウィショー『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
■2019年/イギリス・アメリカ/上映時間: 120分
公式サイト

(c)2019 Dickensian Pictures, LLC and Channel Four Television Corporation

 

投稿者プロフィール

Kana
Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなので映画レビューサッポロのライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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