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北村匠海、小松菜奈、吉沢亮 共演!「さくら」11月13日公開 作品レビュー

作品紹介

この映画の原作は累計55万部を突破する西加奈子の同名小説。
2015年に「サラバ!」で直木賞を受賞、いまや日本を代表する小説家のひとりとなった彼女が、デビュー作「あおい」の次に発表した「さくら」の映画化だ。
映画化は「きいろいゾウ」「円卓」「まく子」に続いて4作目となる。
この映画に登場するのは、サクラと名づけられた1匹の犬と長谷川家の5人、
そして彼らそれぞれにとって大切な人たちだ。日々の幸せ、初めての恋、思いがけない事故、愛するがゆえの葛藤……

普遍的に映る家族の日常は決して普遍的ではなく、ひとりひとりの物語が、ひとつひとつの出来事が、心にずっしりと突き刺さってくる。
そんな西加奈子が紡ぐ家族の物語に「私の映画史がすべて入っている」と、その世界観に惹かれ監督を引き受けたのは矢崎仁司。
『スト ロベリーショートケイクス』(06)、『スイートリトルライズ』(10)、『太陽の坐る場所』(14)、『無伴奏』(16)など、人間の複雑な感情を映し出すことに長けた矢崎監督 が、長谷川家という1つの家族を通して、夫婦、兄弟妹、親子、初めての恋、一途な愛、生と死、そして生きることの意味を丁寧に描いていく。心に深く刻まれるであろう家族の物語 がまたひとつ誕生した。

ストーリー

音信不通だった父が2年ぶりに家に帰ってくる。
スーパーのチラシの裏紙に「年末、家に帰ります」と綴られた手紙を受け取った長谷川家の次男・薫は、その年の暮れに実家へと向かった。
母のつぼみ、父の昭夫、妹の美貴、愛犬のサクラとひさびさに再会する。
けれど兄の 一(ハジメ)の姿はない……。
薫にとって幼い頃からヒーローのような憧れの存在だったハジメは、2年前のあの日、亡くなった。
そしてハジメの死をきっかけに家族はバラバラになり、その灯火はいまにも消えそうだ。
その灯火を繋ぎ止めるかのように、薫は幼い頃の記憶を回想する。
それは、妹の誕生、サクラとの出会い、引っ越し、初めての恋と失恋……
長谷川家の5人とサクラが過ごしたかけがえのない日々、喜怒哀楽の詰まった忘れたくない日々だ。
やがて、壊れかけた家族をもう一度つなぐ奇跡のような出来事が、大晦日に訪れようとしていた─。

作品レビュー

直木賞作家・西加奈子による、ベストセラー「さくら」を映画化。

原作未読の方は要注意。
北村匠海・小松菜奈・吉沢亮という豪華キャストにつられて観に行ったが、あまりに辛い出来事と苦しみの嵐に打ちひしがれる事となった。
タイトルから連想する優しさや温かさも勿論あるのだが、想像以上に重い内容に心がついていかない。景色や四季の情景が色彩豊かに描かれているのが余計にしみてきた。

いつ、どこで間違えたのか。何が正しかったのか。どうすれば良かったのか。
悲しい出来事が起こった時、大抵の場合その原因が1つという事はない。
些細な事からじわじわと、そしていつの間にか取り返しのつかないほど大きなズレが生じてしまう。

音信不通となった父(永瀬正敏)。
そんな父からの突然の手紙が届いた事もあり次男・薫(北村匠海)は年末年始を迎える為2年ぶりに実家へと向かう。
そこに家族にとって太陽のような存在だった長男・一(吉沢亮)の姿はない。
ストーリーテラーのような役割で薫が過去と現在とを繋ぎ物語は進んでいくのだが、学生時代からいつもどこか俯瞰で物事を見ながら冷静に過ごしていた薫とは対照的に、妹・美貴(小松菜奈)は感情豊かである。
一を特に慕い、恋愛感情にも似た想いを持っていた美貴。
美しく真っ直ぐな美貴の強さはガラスのような繊細さと表裏一体で、深い悲しみと後悔の中で砕けて割れてしまった。
そんな美貴を見ているのは耐え難い程のものだったが、小松菜奈の圧巻の演技に飲み込まれてしまう。
以前から彼女の演技は評価が高く自身としても好きな俳優の1人ではあったが、こんなにも表現力のある役者だったのかと驚いた。

長谷川家の飼い犬、サクラ。
いつもどんな時でも変わらないサクラの優しい目をみると泣けてくる。
サクラは家族にとって、ペットとしての存在以上のものがあった。

主題歌は東京事変「青のID」
この映画の為に書き下ろされた楽曲だ。

光を失ってしまった家族の再生の物語。
心して観て欲しい。

予告動画

「さくら」2020年11月13日札幌シネマフロンティア 他で公開

出演:北村匠海、小松菜奈、吉沢亮、他
原作:西加奈子「さくら」(小学館刊)
監督:矢崎仁司
脚本:朝西真砂
音楽:アダム・ジョージ
主題歌:東京事変「青のI D」(EMI Records/ユニバーサル ミュージック)
配給:松竹
上映時間: 119分
公式サイト
©西加奈子/小学館  ©2020「さくら」製作委員会

 

投稿者プロフィール

兼平ゆきえ
兼平ゆきえ
映画・音楽・本 など 観たり聴いたり読んだりと忙しく過ごすのが好きなインドア派。恵庭発 北海道のMUSIC&ART情報サイト From E…代表。不定期で企画LIVEを開催。2018年7月から 恵庭市のコミュニティFM e-niwa にて、映画や音楽の話を中心とした番組『From E…LIFE(フロムイーライフ)』を放送開始。10月から毎週 木曜日 18:30-19:00の枠にお引越し。
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