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菅田将暉&小松菜奈 北海道ロケ映画『糸』 作品レビュー

作品紹介

2020年、平成を総決算する映画『糸』―――珠玉の名曲が愛と絆の感動映画に!!
2006年、夏川りみの歌をモチーフとした映画『涙そうそう』。
2010年、一青窈の歌をモチーフとした映画『ハナミズキ』。
愛され続ける歌の力が物語にさらなる深みを与え、多くの感動を呼びました。
そして今、長きに渡り人々の心を魅了してやまない、永遠に歌い継がれる歌があります。
中島みゆきの名曲「糸」・・・中島みゆきが、知人の結婚を祝して作り、1998年にリリース。糸を人に見立てて、男女の出逢いの奇跡と絆の大切さを歌ったこの曲は、ドラマや数多くのCMに起用されてきました。2004年にはMr.Childrenの桜井和寿が率いるbankbandがカバーしたことで注目を集め、その後、途切れることなくアーティストが次々とカバー・バージョンを発表。(なんと120組近くに及びます)。2014年にはクリス・ハートがNHK紅白歌合戦で歌唱し、全国に深い感動をもたらしました。さらに、森山直太朗、JUJU、福山雅治などがカバー、今もなお、多くのアーティストたちに愛され、歌い継がれています。そして2019年。ついに平成が30年の時を終えました…。いままさに時代の大きな転換期を迎えようとしているこの日本で、出逢いの糸が織りなす愛の奇跡を平成史とともに描く壮大な感動超大作が誕生します。

ストーリー

めぐり逢う、ふたつの物語。

13歳、初恋。二人は遠く引き離された。
21歳、再会。過ぎた時間は取り戻せなかった。
31歳、現在。もし、もう一度だけ、あなたとめぐり逢えたなら…。

人は奇跡のような確率で、誰かと出逢っているー
平成元年に生まれた漣と葵。
すれ違い、遠く離れ、それぞれの人生を歩んできた二人が、平成の終わりに再会を果たす…。
これは、運命に引き離された男女が再びめぐり逢うまでを、
平成という時代の変遷とともに描く、壮大な愛の物語。

平成元年生まれの高橋漣と園田葵。北海道で育った二人は13歳の時に出会い、初めての恋をする。そんなある日、葵が突然姿を消した。養父からの虐待に耐えかねて、町から逃げ出したのだった。真相を知った漣は、必死の思いで葵を探し出し、駆け落ちを決行する。しかし幼い二人の逃避行は行く当てもなく、すぐに警察に保護されてしまう。その直後、葵は、母親に連れられて北海道を去ることになった。そのことを知らなかった漣は見送ることすらできないまま、二人は遠く引き離された…。それから8年後。地元のチーズ工房で働いていた漣は、友人の結婚式に訪れた東京で、葵との再会を果たす。北海道で生きていくことを決意した漣と、世界中を飛び回って自分を試したい葵。もうすでに二人は、それぞれ別の人生を歩み始めていたのだった。そして10年後、平成最後の年となる2019年。運命は、もう一度だけ、二人をめぐり逢わせようとしていた…。

作品レビュー

世代を問わず広く愛され続けている中島みゆきの楽曲『糸』はリリースから20年を経た現在でも国民的人気曲として親しまれている。本作はその名曲をモチーフに平成元年生まれの男女が紡ぐ30年間に渡る長きラブストーリーである。

主演の菅田将暉と小松菜奈のほか共演する面々もそれぞれ見事な配役で、ひとつの作品としての一体感をとても強く感じた。北海道から沖縄、シンガポールまで壮大なロケーションで撮影されている点も大きな見どころだ。

思春期の淡く甘い2人の出会い、葵が受けていた義父からの虐待により駆け落ちのように逃避行をした2人、結局離れ離れになってしまったが共通する友人の結婚式で再会した2人とベタな展開が続き辟易しそうになった頃にお互いに新しい出会いが訪れる。どうかそこまで耐え忍んで欲しい、物語はここからが核になるので。

葵は初めて一人の人と真剣に向き合おうと決意し、人生に目標を見出せずに流されてきた漣は拾い救われるかのように後に結婚する香と出会う。

この榮倉奈々演じる香との出会いで漣が成長していく様を感じることができるし、斎藤工演じる葵の恋人も出演時間ほど長くはないが見過ごすことのできない存在である。恐らく短い人生で幕を閉じそうなこの恋人は今思い返してもとても斎藤工に合っていた役柄だったのではないだろうか。

成功を掴みそうになった頃にまさかのスタート地点に逆戻りとなった葵、子供も生まれ幸せ絶頂だったはずの漣にも最大の試練が訪れ悲しみに暮れることになる。遠く離れた地でも2人の人生は同時進行で進んでいく。

そんな波乱万丈な2人のラストは観客の誰もが予想した結末となるので、若い世代を筆頭に万人ウケしやすい作品であることは間違いない。

だが考えてしまう。幼少期から30歳でゴールを迎える2人の物語だが実際には日本人の平均寿命の半分にも満たない。2人の人生はまだまだ続きがある。若くして苦労を積み重ねてきた2人なのでどうかこれからは穏やかに健やかに送って欲しいと願わずにいられない。

ストーリーとは別に道民である私は北海道を代表する主要各所が映画の中で登場するのでとても楽しむことができた。旅行が厳しい現在だが日本国内問わず世界中の人々がロケ地を訪れ北海道を楽しんでくれる日が早く訪れて欲しいと思う。

予告動画

『糸』

【キャスト・スタッフ】
菅田将暉 小松菜奈
山本美月 高杉真宙 馬場ふみか / 倍賞美津子 /
永島敏行 竹原ピストル・二階堂ふみ(友情出演)
松重 豊・田中美佐子 山口紗弥加 / 成田 凌
斎藤 工 榮倉奈々

Inspired by 中島みゆき「糸」

原案・企画プロデュース:平野 隆
脚本:林民夫
監督:瀬々敬久
音楽:亀田誠治
上映時間:130分
©2020映画『糸』製作委員会

投稿者プロフィール

坂本早苗
札幌市内で働くOL。
ストレス発散はテニスで体を動かすことと大好きなパンを求め全国のパン屋さんの情報収集。着る服は骨格診断を意識しています。
映画は年齢と共にミニシアター系が好みに。
沢山の映画と出会い、観て聴いて考えてお気に入りを探していきたいです。
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