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実話に基づくサスペンス『オフィシャル・シークレット』10月札幌公開

  • 2020年5月15日

作品紹介

2003年イラク開戦前夜、英米政府を揺るがせた告発記事。
その記事は英国女性諜報職員のリークだった。
実話に基づく政府VS告発者のポリティカル・サスペンス。

ストーリー

2003年のイラク戦争前。英米両政府は武力行使に向けた準備に入っていた。英国の諜報機関GCHQ(政府通信本部)で 働くキャサリン・ガン(キーラ・ナイトレイ)はある日、米国の諜報機関NSA(国家安全保障局)から送られたメールを見て愕然とする。
英米がイラク侵攻を強行するため、国連安全保障理事会のメンバーに対するスパイ活動を指示するものだった。その内容に憤りを感じたキャサリンは、元同僚の友人を訪ね、マスコミにリークしたいと相談する。 2週間後、メールの内容が英国「オブザーバー」紙の一面を飾った。マーティン・ブライト記者(マット・スミス)の勇気ある告発記事だった。 英国の諜報機関GCHQでは、リークした犯人探しが始まり、
職員一人一人への執拗な取り調べが繰り返された。キャサリンは、自分の仕事仲間にまで尋問が及ぶ状況に耐えきれず、 自ら「リークしたのは自分だ」と名乗り出る。 しかし、キャサリンの告発も虚しく、イラク侵攻は開始されキャサリンは起訴される。 キャサリンを救おうと人権派弁護士ベン・エマーソン(レイ フ・ファインズ)らが立ち上がった。政府内の取材をするなかで、キャサリンの無実を確信していくが、相手は政府、簡単に勝てる相手ではない。
2004年2月25日裁判が始まった。果たしてキャサリンは有罪か、それとも無罪か。しかし、驚きの結末が待っていた。

作品レビュー

2003年英国にて、政府の女性諜報職員が、自身の良心に突き動かされ機密情報をリークした。国家機密であり許される行為ではないと知りつつも、差し迫っていた危機を回避したいという一心で、多くの命を救おうとした勇敢な行動であった。

本作の主人公、政府情報機関の職員であるキャサリン・ガンは実在の人物で、実話に基づくストーリーである。正義感が強く、政治に対する意識も高く、国家の重大な欺瞞を見過ごせずにいた勇敢な女性を、キーラ・ナイトレイがダイナミックに演じている。

キャサリンのリークは初めは信憑性の薄い、怪しいネタとされつつも、英国紙の記者たちは根気強くその背景を探ってゆく。マスコミ側にもそれまでの立場やしがらみがありつつも、熱意ある人々の行動によって、本来の使命を思い出してゆくところもドラマティックである。

キャサリンを支える移民の夫のひたむきさや、彼女を護ろうとする周囲の人々のあり方にも心を打たれる。自身の身の危険を顧みず、大勢の人々の命を救いたいという勇気ある行動に心動かされた人々が、彼女を助けようとする。

国からすれば、背任行為をした一職員などごく弱い立場の、取るに足らない相手であったかもしれない。だがこの物語はキャサリン・ガンをはじめとして、良心と見識のある有能な人物たちが次々と行動を起こし、力を得てゆくところも見どころである。

普通の人々にとって国家はあまりにも強大で、時に狡猾で卑劣な容赦ない存在であり、戦うべき相手ではないはずである。

キャサリンは必ずしも終始一貫した態度ではなく、自身の行動を後悔したり、夫の身を案じて苦悩したり、身辺の不穏さに怯えたりする普通の女性でもある。人間らしくもあり、共感できる部分であった。

国から訴追されたキャサリンの運命の行く先は、驚きの結末を迎える。登場人物たちは危険や犠牲と隣り合わせになり、非常に悩み苦しみながらも立ち向かってゆく姿勢に感動する。正義、良心、勇気、使命といったものについて問われ、感じさせられる秀作となっている。

予告動画

『オフィシャル・シークレット』近日公開予定

キャスト: キーラ・ナイトレイ 、マット・スミス 、マシュー・グード 、リス・エヴァンス、アダム・バクリ 、レイフ・ファインズ
監督:ギャヴィン・フッド
原題:OFFICIAL SECRETS/2018年/イギリス/カラー/英語/112分
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES

公式サイト

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投稿者プロフィール

Kana
Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなので映画レビューサッポロのライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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