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嘘から生まれた感動実話『フェアウェル』2020年10 月2 日公開 作品レビュー

作品紹介

第77回ゴールデングローブ賞 オークワフィナが主演女優賞受賞!!(ミュージカル・コメディ部門)余命僅かな祖母に伝えるのは、真実か優しい”嘘”か。
葛藤する家族が出した答えは—。

中国系アメリカ人として世界で活躍するルル・ワン監督の実際の<嘘>から生まれた、心温まる家族の感動物語にして、気鋭スタジオ「A24」の話題作。

祖母を愛してやまない主演の孫娘″ビリー″役を『オーシャンズ8』『ジュマンジ/ネクスト・レベル』のオークワフィナが務め、ビリーの父親″ハイヤン″役に『ラッシュアワー』シリーズや実写映画『ムーラン』にも参加したツィ・マー、中国で最高レベルの演技者だけに授与される「国家一級演員」にも選ばれた実力派女優チャオ・シュウチェンが祖母″ナイナイ″役を演じきった。
そして“2019 年に注目すべき監督10人”(バラエティ)に選ばれた女性監督ルル・ワンが脚本も手掛け、家族の在り方とそれぞれの生き方をリアルに、そして細やかに描いた。

ストーリー

NYに暮らすビリーと家族は、ガンで余命3ヶ月と宣告された祖母ナイナイに最後に会うために中国へ帰郷する。
家族は、病のことを本人に悟られないように、集まる口実として、いとこの結婚式をでっちあげる。
ちゃんと真実を伝えるべきだと訴えるビリーと、悲しませたくないと反対する家族。
葛藤の中で過ごす数日間、うまくいかない人生に悩んでいたビリーは、明るく愛情深いナイナイから生きる力を受け取っていく。
ついに訪れた帰国の朝、彼女たちが辿り着いた答えとは?

作品レビュー

中国北京生まれ、6歳の時にマイアミに移住しボストンの大学を卒業した、ルル・ワン監督の実体験を脚本に映画化した本作。

監督は中国長春に住む祖母が、病で余命わずかと診断されたにも関わらず、両親から病気は本人に秘密にすると聞かされた。アメリカで育ち真実を告げることが人間関係で重要と信じていた監督は、アメリカと中国の文化や習慣の違いにショックを受けたという。その時に家族でついた『優しい嘘』が映画のテーマとなっている。

主人公のビリー役は、ラッパーから女優となりアジア系女優で初のゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を獲得したオークワフィナ。軽快で明るい役の多いオークワフィナが、家族や文化の違いに悩む女性を演じる。

ストーリーの全体的な雰囲気は、カルチャーギャップから生じたシリアスな部分を、軽くコメディにしたという感じだ。中国という計り知れない大国の中で繰り広げられる家族のドラマで癌の告知をしない嘘と、家族が集まることが目的の嘘の結婚式があり、告知しないことに悩む主人公の姿を現している。

遠いアメリカで暮らしていても、電話で連絡を取り祖母ナイナイが大好きなビリーは、ナイナイの余命が短いことや、告知できないことに苦悩する。
そんな周囲の心配などつゆ知らず、家族の長として絶大な権力を誇るナイナイは、孫の結婚式を切り盛りし幸せそうに見える。

アメリカでは癌や余命の告知をしないことが犯罪になるらしく100%告知するのが常識。日本ではケースにより異なるだろうし、抗癌剤治療を受けるなら当然告知は必要となるだろう。

ビリーの従兄弟の嘘結婚式では、従兄弟の彼女アイコ(日本人花嫁)も巻き込み、家族でナイナイに優しい嘘をつくのだが、その結婚式でもやはりカルチャーショックがある。
私は台湾で結婚式と披露宴に出席した経験があり、日本の結婚式のようにフォーマルな服装で参加したが、出席者の多くが普段着で来場しジャージ姿で参加する方もいて驚いた。
劇中の結婚披露宴で家族は控え目なフォーマルだが、ビリーは普段着。出席者の多くが普段着で、飲めや歌えの宴席が長々と続けられる。西洋と異なる習慣の違いが面白可笑しく感じる。

劇中に登場するナイナイの健康体操が印象的。私の台湾の友人の父もナイナイと似たような体操をし、血流を良くし健康維持するための習慣と言ったのを思い出す。

折しも世界中で新型コロナウィルス騒動でパニックになる中、本作を試写鑑賞した。癌の告知をしない中国。真実を語らない国家の隠蔽体質は、もしかして単なる文化の違いや優しい嘘なのかもしれない。しかし、人種や国が違えどやはり家族の愛は壮大なのである。

予告動画

『フェアウェル』2020年10月2日公開

原題・英題 :THE FAREWELL 
監督・脚本:ルル・ワン
出演:オークワフィナ、ツィ・マー、ダイアナ・リン、チャオ・シュウチェン
2019/カラー/5.1ch/アメリカ/スコープ/100分/
配給:ショウゲート
公式サイト 
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投稿者プロフィール

佐藤 友美
佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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