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女優ジュディ・ガーランド感動の実話『ジュディ 虹の彼方に』3月6日公開 作品レビュー

  • 2020年2月3日

作品紹介

本年度アカデミー賞2部門ノミネート!(主演女優賞/メイクアップ&ヘアスタイリング賞)本年度ゴールデン・グローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)受賞!!
47歳で散った伝説のミュージカル女優ジュディ・ガーランド『オズの魔法使』で始まった波乱の人生。ラスト7分―魂の「オーバー・ザ・レインボー」。感動と慟哭の実話。

ストーリー

ハリウッド黄金期を象徴する映画『オズの魔法使』の主人公ドロシー役のジュディ・ガーランドは、17歳にして一躍スターダムを駆け上がる。その後、不朽の名作『スタア誕生』を始め数々のヒット作に出演。ハリウッド史を代表するミュージカル女優となる。それから月日がたち―

1968年の冬、彼女は単身、ロンドンの舞台に立っていた。ショービジネスの裏側で少女時代の全てを奪われ、波乱の女優人生を送ってきたジュディ。47歳で亡くなる最期の日々、〈命を燃やし尽くした〉と今も語り継がれる起死回生をかけたステージとは?

厳しいレッスンの末、全曲を自ら歌いあげ、この役に持てる全才能を注ぎ込んだのは、『シカゴ』『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズのレネー・ゼルウィガー。スポットライトの下では圧倒的なカリスマ性を放つジュディの魂を確実に自分のものにし、早くもオスカーの大本命との声が高まっている。

ジュディの希望と絶望、歓喜と痛み、そのすべてが聴く者の心の奥深くに届く最後の「オーバー・ザ・レインボー」。その歌詞の本当の意味に打ちのめされ、客席との間に生まれた奇跡に慟哭する、感動の実話。

ジュディ・ガーランド

(1922~69年)

20世紀を代表する天才エンタテイナー。アメリカやイギリスでは、今なお彼女の人気は高く、CDやDVD、伝記本が頻繁に発売されている。少女ドロシーを演じた『オズの魔法使』(39年)で彼女が歌い、スタンダードとなった名曲「オーバー・ザ・レインボー/虹の彼方に」は、終生のテーマソングとなった。

作品レビュー

「オズの魔法使い」は子供の頃に慣れ親しんだ絵本や映画のストーリーである。古い白黒映画を観たことはなかったが、あの有名作品で主役を演じ、少女の頃からスターダムに昇りつめた女優ジュディ・ガーランドの往年とは、いかなるものであったのか興味を惹かれた。

冒頭の彼女はふたりの子連れでシングルマザー、家もなく、宿代も踏み倒す落ちぶれ具合であったが、周囲のサポートにより、まだ彼女の人気の衰えていないというロンドンを舞台に再起へ取り組む。

精神的にも脆く不安定な彼女に周囲は振り回され、落ちぶれてもスターというのは厄介な人種であると感じた。彼女は共に仕事をするにあたって信頼に値する人間とは言いかねるだろう。

ジュディの少女時代の回想と交互に物語は展開されるが、痛ましい記憶の数々が晒される。睡眠時間もろくに与えられず、食べる物も制限され、薬を服用させられながら酷使され、周囲の大人たちは洗脳まがいに彼女を言いくるめ消費する。

どこか行き当たりばったりで、酒と薬漬けの彼女はそれでも劇場に立てば、すばらしいパフォーマンスで人々を惹きつける。ジュディを演じるレネー・ゼルウィガーの歌も物腰も貫禄があり魅了される。

脇役陣の演技も光っている。とりわけジュディの熱心なファンであるゲイカップルは存在感があった。ファンの自宅を訪れ心通い合う場面は感動的で、率直で飾らないジュディの素直さ、優しさがよく描かれていた。

傷つきやすく、精神的にも浮き沈みの激しいジュディはトラブルも尽きない。身から出た錆のようにも見えるが、彼女の傲慢さ、短絡さ、不安定さは裏を返せばまともな愛情を得られず、少女の頃から過酷な環境で生き抜いてきた彼女の傷であり、不完全さであっただろうか。

支離滅裂に見えるジュディの生き様からのラストシーンは怒涛の展開であった。懐かしいメロディーが心に沁み、愛あふれる場面に涙が止まらなくなってしまう。メイクをしている方には注意を喚起したくなる、そんな作品であった。

予告動画

『ジュディ 虹の彼方に』3月6日全国ロードショー! 札幌シネマフロンティア、ユナイテッド・シネマ札幌他

監督: ルパート・グールド
原作:舞台「End of the Rainbow」ピーター・キルター
脚本:トム・エッジ、ピーター・キルター
出演: レネー・ゼルウィガー、ジェシー・バックリー、フィン・ウィットロック、ルーファス・シーウェル、マイケル・ガンボン、ダーシー・ショー、ロイス・ピアソン
原題:JUDY
2019年/イギリス/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/上映時間: 118分
公式サイト
配給:ギャガ

© Pathé Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019

投稿者プロフィール

Kana
Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなので映画レビューサッポロのライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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