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衝撃の実話『テッド・バンディ』作品レビュー

  • 2019年11月28日

作品紹介

1970年代アメリカ、30人以上の美しい女性ばかりを惨殺したとされるテッド・バンディ。IQ160の頭脳と美しい容姿で、司法・メディアを翻弄し、”シリアルキラー”の語源になった稀代の殺人鬼。その余罪はいまなお謎に包まれており、本当の被害者の数は誰も知らない。
3度死刑判決を受けるが、無罪を主張。ついには自らが弁護人となり法廷で徹底抗弁を繰り広げ、その裁判の模様はTVで生中継されるなど、全米の注目を浴びた。本作では、世界を震撼させたシリアルキラーの裏側へ迫ると共に、バンディの長年の恋人の視点を通し善人としての姿を描き、観客を予測不可能な迷宮に誘い込んでいく。

ストーリー

1969年、ワシントン州シアトル。テッド・バンディ(ザック・エフロン)とシングルマザーののリズ(リリー・コリンズ)とは、あるバーで恋に落ちる。
素晴らしい出逢いの一日から始まり、デッド、リズと彼女の幼い娘モリーの三人は、幸福を絵に描いたような家庭生活を築いていく。
しかしその運命は一変。テッドが信号無視で警官に止められた際、車の後部座席に積んでいた道具袋を疑われて逮捕されてしまう。マレーで起きた誘拐未遂事件の容疑だった。またその前年にも女性の誘拐事件が起きており、キング郡警察の発表によると、目撃された犯人らしき男の車はテッドの愛車と同じフォルクスワーゲン。
新聞に公表された似顔絵は、テッドの顔によく似ていた。突然の事態に混乱するリズ。テッドはすべてまったくの誤解だと説明するが、次第に、いくつもの事件の真相が明らかになっていき・・・。

作品レビュー

理想的な恋人が、殺人事件の容疑者になってしまったとしたら・・・
あるいは、自分がある日突然、殺人容疑者として逮捕されたなら・・・?

我が身に置き換えて想像してしまう映画である。
オープニングからのスピード感ある展開に、たちまち引き込まれてしまう。

昨年大ヒットしたミュージカル映画、「グレイテスト・ショーマン」で好演をみせたザック・エフロンが実話に基づいた法廷作品の主人公テッドを演ずるとあって、強く興味を惹かれた。

テッドの恋人でシングルマザーのリズ役をリリー・コリンズが演じている。テッドが一目で恋に落ちたのが頷ける、可憐で愛らしい容姿に惹きつけられる。なんとも美男美女なカップルだが、途方もない苦難が彼らに襲い掛かるのが痛々しい。

主人公テッドはとびきりハンサムで情熱的で、勉強熱心でもある。チャーミングで堂々としており、不利な法廷でも不屈の精神で戦い抜くタフガイぶりに、心奪われる女性が続出するのも不思議ではなかった。才能あふれる俳優ザック・エフロンにうってつけな、納得のキャスティングである。

果たして彼はずさんな捜査によって、こじつけのように凶悪事件の冤罪を負わされた被害者なのか、あるいは本物の殺人鬼なのか・・・?事件について知らなかった私は、最後まで謎に翻弄されるばかりであった。

アメリカでは有名な事件であったようだが、実際のところを知らない方が、映画はより楽しめるので、実話をチェックするのは鑑賞後にすることをおすすめしたい。

注目度抜群な話題作であり、ザック・エフロンの新境地とも言えるのではないか。まるで希代のカリスマその人であるかのように錯覚しそうであった。ミステリアスでこの上なく魅力的な主人公に魅了されることうけあいである。

予告動画

『テッド・バンディ』12月27日(金)札幌シネマフロンティア 他全国ロードショー

監督 : ジョー・バリンジャー
出演 : ザック・エフロン、リリー・コリンズ、カヤ・スコデラーリオ、ジェフリー・ドノヴァン、アンジェラ・サラフィアン、ディラン・ベイカー、ブライアン・ジェラティ、ジム・パーソンズ、ジョン・マルコヴィッチ
上映時間:109分
原題 : :Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile

公式サイト
R15+指定

配給:ファントム・フィルム

©2018 Wicked Nevada,LLC

投稿者プロフィール

Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなので映画レビューサッポロのライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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