『しあわせのパン』『ぶどうのなみだ』に続く、大泉洋主演の”北海道映画シリーズ”第三弾!!!
『そらのレストラン』の舞台挨拶が2018年11月27日にユナイテッド・シネマ札幌で行われた。
大泉洋・本上まなみ・岡田将生など実力派キャストが勢揃いしている『そらのレストラン』。
監督は深川栄洋。
登場人物の心情を映し出すのが巧みな監督で、今作も家族や仲間との絆などを丁寧にみせてくれている。
父親の亡き後せたなの牧場を引き継いだ主人公・設楽亘理役の大泉洋さん、妻 こと絵役を演じた本上まなみさん(以下:本)、深川栄洋監督(以下:監)をお迎えしての舞台挨拶。
ここ1か月だけでも『グリンチ』『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』など話題作の舞台挨拶が続き大忙しの大泉さん(以下:大)。
「この映画はクリスマスを盗んでチーズを作る話ではなく、筋ジストロフィーの人がチーズを作る話でもない」と自身の出演作と絡めたり、鑑賞前の舞台挨拶の為ネタバレに気をつけつつ「果たして一体誰が犯人なのか、ハラハラドキドキのスリラーをお楽しみ下さい」などと軽快なトークで笑わせてくれていた。
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司会:”北海道映画シリーズ”第一弾『しあわせのパン』第二弾『ぶどうのなみだ』に続く第三弾、主演を務めたお気持ちは如何でしょうか。
大:確か『しあわせのパン』が出来て完成した頃に私に娘が産まれたというお知らせをプロデューサーがしてくれたというのを覚えてますので7年前になるのでしょうかね。早いもので、そんなに経ったのだなと思いました。
パンを作り、ワインを作り、今回いよいよチーズを作る人という事で。
今回は深川監督に変わりまして、今までのほんわかとしたテイストを残しつつも監督ならではの”人間味”が色濃く描かれていたと思います。
ストレートなんだけどジーンとくる男の友情などにもクローズアップされた映画で、今までの2作とは違うものになったなという感覚を持っています。
司会:北海道でのロケ、そしてその北海道でのお披露目を迎えられたという今のお気持ちは如何でしょう。
大:私の映画というのは北海道でいち早くお披露目をという事で、まずは北海道の皆さんに観て頂けるというのが嬉しい限りです。
司会:本上さん、今回大泉さんとは夫婦役ということでしたが、撮影中の大泉さんの印象やエピソードなどがあればお聞かせ下さい。
本:先程お嬢様のお話をされていましたけども、本当に大泉さんは家族を大事にする男なんですね。
子役の庄野凛ちゃんの事をもの凄く可愛がっていてなんて愛情に溢れた人なんだろうと思っていたんですが、その撮影の合間に自分の愛娘に連絡を取って「お父さん今頑張ってるよ!」って小さい声でボソボソずっと喋っていたので…寂しかったんだな、と分かりました(笑)
大:私の、娘に会えない寂しさをそのまま凛ちゃんにぶつけてましたね。
いい子なもんだから嫌がらないんです。ずっと抱っこしてました。
本:そんなに抱っこする必要無いんじゃないか?って所でも抱っこしてましたもんね。
大:映画の中で、(凛ちゃんが)自転車に乗るシーンがあったんです。僕が教えてあげるって設定で。
乗れるように練習して貰って乗れるようになったんだって。
ところが、東京で乗れるようになってこっち来てる間に乗れなくなっちゃったの。
本番なかなか乗れなくてそのシーンは乗れなかったけどもなんとかやったんですが、更に(自転車に乗る)練習をしたって事で監督が後日乗れたシーンを撮ったんですよ。
そこが監督の優しい所だなと思いましたね。
僕たちは乗れないシーンを経験してたから、乗れる所を観た時に感動しました。
司会:北海道せたな町で撮影された映画ですが、撮影はどうでしたか?
監:大泉さん主演という事で天候に恵まれず、どうしたって雨が降ってしまう。
大:チクチクうるさいですよ(笑)
監:大泉さんの祟りみたいなものを感じて天気予報を観るとあぁ…大泉さん、と。
大:何を話したいんですか!(笑)
司会:そんな大泉さんと本上さんの夫婦役であるという所を演出されましたけれど、どういった印象をお2人にお持ちになりましたか。
監:観て頂くとわかると思うんですけれども、とっても相性の良い夫婦役を演じて頂きました。
この2人、凛ちゃんを含めて3人の家族をみていくと温かい気持ちになるんですね。
本上さん演じる こと絵さんが所々で重要な事を言ってくれるんです。ここまで言って貰えて立ち上がらない男なんていないだろうと思うんですけれど、大泉さんは立ち上がれないんです。
大:大きな傷を負いましたからね。
監:情け無い男でも、奥さんが素晴らしければ良い家庭になるんだ!と思って頂けると思います(笑)
司会:日頃の撮影シーンや現場での仲睦まじいエピソードなどはありますか?
大:楽しい現場でキャストが集まってご飯も食べに行けたんですけども、(石崎)ひゅーいくんの生歌も聴けました。
撮影中にお世話になった宿の社長さんから誕生日のサプライズで奥様に歌を歌ってくれないか、という事でひゅーいくんが歌ったんですよ。
そうしたら奥様より先にマキタスポーツが泣き出しちゃって。その後マキタスポーツさんが歌ってくれたりしましたね。
司会:映画ではそんな絆やせたなの自然も受け止めて頂けたらと思います。
最後に、皆様へ向けて一言ずつご挨拶を頂戴致します。
監:この作品は1月25日から公開されます。
撮影自体は去年の9月、10月。
1月25日の為にスタッフ・キャストと頑張って参りましたので、面白いなと思って頂いたらお友達やご家族と足を運んで頂ければと思っております。
本:昨年秋に撮影していた映画ですけれども、早くこの楽しい仲間たちの営みを観て頂きたいなと思いながら撮影をしていました。
お話の中でファンタジックなエピソードがいくつか出てきますけれども、ほとんどが実話という事なんだそうです。
ちょっとびっくりするような不思議なお話が北海道にあるんだなという事で、是非ご家族やお友達にシェアして頂けたらと思います。
大:本上さんも仰っていた通り、ほぼ実話といいましょうか…せたな町に集まっているもの凄いこだわった物を作る”やまの会”の皆様がモデルです。
そういう生産者の方が北海道にいるんだな、と思って観て頂けると面白いと思います。
子供のような大人の男たちの友情を描いていたり、挫折した男の人がなんとか再生するようなお話です。
今年は大きな震災がありましたが、この映画がそう言った意味でも北海道を応援出来ればいいなと思っております。
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舞台挨拶の途中、役場の職員を演じた鈴井貴之さんがサプライズゲストとして登場。
大泉さんからは「何でこの人呼ぶんですか!カブでこの人が出てきたらこの人の記事になっちゃう。1番歓声も大きかったじゃないですか!」とクレームが噴出。
友情出演に関して誰との友情なのかという質問を受け、プロデューサーからの電話に即決で出演を決めたという鈴井さん。
企画・製作を務めた伊藤亜由美さん直々に、3日3晩接待を受けたという話も飛び出した。
中には、大泉さんも一緒に食事をする機会もあったそう。
「なんで元夫婦と俺が一緒に飯食わなきゃいけないのよ」と場内大爆笑。
司会がCREATIVE OFFICE CUE所属の北川久仁子さんという事もあり、終始アットホームな雰囲気に包まれた舞台挨拶は大いに盛り上がった。
尚、北川久仁子さんはAIR-G’ FM北海道 brilliant daysのパーソナリティーとしてもお馴染み。
映画レビューサッポロでは2年以上にわたり、上記番組で新作映画紹介をさせて頂いた。
それにしても、北海道らしい広大な自然が盛り沢山な”北海道映画シリーズ”
これらの作品を観る度に、改めて北海道が好きになると同時にまだまだ知らない場所があると教えられる。
シリーズを通して食べ物をとても綺麗に映しているのが印象的なのだが、監督が異なる今回もそこは健在。
チーズのみならず北海道の食材をふんだんに使った料理が次から次へと出てきてそのどれもが食欲をそそる。
映画を観た後には美味しい食事が食べたくなるのではないだろうか。
北海道の良いところが詰まっているこの作品。
主題歌は今話題のシンガーソングライター兼バンド スカート。
挿入歌を担当するのは世武裕子。
それらの楽曲も含めおススメしたい良質な作品だった。
「そらのレストラン」2019年1月25日 札幌シネマフロンティア、ユナイテッド・シネマ札幌 他で公開
(c)2018『そらのレストラン』製作委員会
撮影/ フォトグラファーA-Co
札幌在住の女性プロフォトグラファー、物件写真、スチール撮影、ライブ撮影、CDジャケット撮影、商品撮影、フード撮影など様々な分野で活躍中。ファッション写真を撮影するのが得意のため、女性を更に美しく撮ります。
Photo: A-Co © 2018 A-Co All Rights Reserved.
下記画像、本記事ライター兼平ゆきえ撮影