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ロシア政府“上映禁止”の超問題作「スターリンの葬送狂騒曲」あらすじ 感想

  • 2018年7月8日

 

世界各国でブラックヒット!!ロシア政府“上映禁止”の超問題作、遂に日本解禁!!

作品紹介

“ヒトラーを超える大量虐殺”ソ連の独裁者スターリンが急死!
絶対的な箝口令により、現在まで決して明かされることのなかった禁断!?の≪真実≫が今、明かされるー!
「驚くことに、ほとんどが事実」というフランスのベストセラーを映画化したのは、アカデミー賞ノミネートとエミー賞受賞歴のあるアーマンド・イアヌッチ監督。
スティーヴ・ブシェミら個性派が、俳優生命を自ら追い込むほどの熱演を披露。
壮大なのに姑息、大真面目なのに可笑しくて、卑劣で残忍なのに惹きこまれる
“偉人!?”たちの黒歴史を暴く必見ブラックコメディ!

ストーリー

スターリンが死んだ!ソ連最高権力の座をめぐり、狂気の椅子とりゲームが始まる―。
劇薬ブラックコメディ。
1953年ソ連。粛清という恐怖で国を支配していた独裁者スターリンが急死した。
次期【最高権力】の座を狙って色めきだつ側近たち。厳かな国葬の裏で巻き起こる、姑息で熾烈な争いはやがて―。

試写の感想

登場人物がろくでなしばかりだった。

ソビエト連邦時代、スターリンによる独裁政権は「粛清」という名の虐殺が日常的な恐怖の時代だった。国民はもちろん、スターリンの部下たちも日々神経を張り詰めさせ、いつ殺されてもおかしくはない狂気と陰謀の支配する時代。

ただこの作品はひたすら暗いというわけではなく、コメディ仕立てに物語が進んでゆく。スターリンはジャイアンのような悪ガキの大将、側近たちもそれぞれ権力を持ちながら、子分なりの道化役を演じていた。

下品で下衆なトーク能力がないと政治の頂点グループには入れてもらえないのかと思うほど彼らの言動はダーティーだ。国の指導者たちはろくでもないオヤジばかり。現実とはそんなものかもしれない。この物語はほとんどが事実というフレコミで、ロシア国内では上映禁止にされているのだ。

スターリンの死ぬ間際から、死後の国葬にまつわるドタバタは権力者たちによるイス取りゲーム状態だ。互いを出し抜くことに躍起になる側近たち。面倒な役回りを押し付け合う会議のシーンは滑稽きわまりない。卑劣で汚くて大人げないというだけでなく、必死の人々というのはどこかユーモラスなものかも知れない。

ブラックコメディの頂点と世界で高く評価された本作品だが、歴史の事実を思えば笑うだけでは済まされない。観る人はみな、自国はいかがなものかと省みる機会になるのではないか。間違った人物が最高権力を握る事例は世界中で後を断たない。笑えない事実である。

予告動画

スターリンの葬送狂騒曲 8月3日金曜 シアターキノにて公開

監督:アーマンド・イアヌッチ
原作者:ファビアン・ニュリ
キャスト: スティーヴ・ブシェミ/ジェフリー・タンバー/オルガ・キュリレンコ/マイケル・ペイリン
上映時間:107分
製作国:イギリス
原題: The Death of Stalin
配給会社:ギャガ
公式サイト 

(C)2017 MITICO・MAIN JOURNEY・GAUMONT・FRANCE 3 CINEMA・AFPI・PANACHE・PRODUCTIONS・LA CIE CINEMATOGRAPHIQUE・DEATH OF STALIN THE FILM LTD

投稿者プロフィール

Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなので映画レビューサッポロのライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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