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偉業を成し遂げた男の感動実話「泣き虫しょったんの奇跡」あらすじ 感想

  • 2018年7月2日

作品紹介
史上初!
奨励会退会からのプロ編入という偉業を成し遂げた男の感動の実話

「やっぱり、プロになりたい―」。
35歳、しょったんの人生を賭けた二度目の挑戦が始まる――。

本作で出世作『青い春』以来16年ぶりに豊田利晃監督作への単独主演を果たした松田龍平が、夢に敗れた苦悩から再起に至るまでの主人公・しょったんの心の機微を丁寧に表現。さらに、しょったんを取り巻く周囲の面々に、日本映画界屈指の豪華キャストが集結!贅沢な共演も見逃せない。

ストーリー

35歳のサラリーマンが、将棋界の歴史を変えた、感動の実話―

幼い頃から将棋一筋で生きてきた“しょったん”こと瀬川晶司は、

「26歳の誕生日を迎えるまでに四段昇段できないものは退会」というプロ棋士養成機関・奨励会の規定により、26歳にして人生の目標を失い社会の荒波に放り出されてしまう―。

夢破れ、一度は将棋を離れた晶司であったが、親友であり最大のライバル・鈴木(野田)や、苦楽を共にした奨励会の仲間たち(永山、染谷、妻夫木)や周囲の人々に支えられながら、再び夢を実現させるためにアマからプロへひたむきに挑戦していく。

試写の感想

予備知識なく観てもらいたい映画だ。
私はリーフレットのストーリーを読み、うん、面白そう。と思って観た。

実際とても良かったけれど、ストーリーの大半がリーフレットでネタバレとなっている。勿体なかった。予備知識なく観た方の驚きぶりを見て羨ましくなった。

とは言えあらすじを読んでしまっていても、十分に面白く、感動した。細かいことを言うなら、主人公の昌司、ニックネームしょったんはそれほど泣き虫でもない気がする。確かに泣くシーンはあったけれど、泣き虫と言うよりは普通だと思う。

しょったん役の松田龍平はどちらかと言えば表情の乏しいイメージがある。冷ややかとも呼べる目元や飄々とした佇まいなので殺人鬼的な役ですら無理なくはまる稀有な役者さんではないか。

とは言え、感情が表に出にくい人も結構いると思う。だからと言って何も感じていないわけではなく、豊かな内面を持ち合わせている事も多い。そんな人は知るほど魅力的に思えたりもする。

しょったんはやはり魅力的な人だ。彼が自室へ帰宅したシーンで、しょったんは下宿生活をしているのだな、と思った。ただいま、と彼が帰ると仲間が台所でナポリタンを作っていた。しょったんも食べる?と尋ねる。

別の仲間が銭湯へ行こうと誘う。男性ばかり、4人ほどで寮生活をしているのだと思った。

けれど実は、仲間達はしょったんがひとり暮らしをするアパートに入り浸っていた。しょったんの家に集まり、くつろぎ、ゲームをし、喧嘩して騒ぐたまり場なのだ。

鍵もかけずに自宅を開放しているしょったんの人の好さ、大らかさがよくわかるシーンだった。

しょったんの人柄の良さは彼の指す将棋にも表れる。後半のシーンで、彼と勝負をした年上の男性、小林薫演じる藤田さんはしょったんの将棋に惚れ込んだ。出会い、将棋を指し、しょったんを気に入って飲みに誘う。その後、藤田さんはしょったんにとって極めて重要な役割を果たすこととなる。

ところでこの藤田さんを演じた小林薫さんには参った。すごく好みのルックスでスクリーンに釘付けだった。あのセクシーさは一体・・・?あんな人が身近にいたらヤバイ・・・と楽しい妄想に走ってしまった。

話は逸れたが、しょったんの周囲の人々も本当に魅力的だった。幼い頃からの彼を取り巻く大人達のあり方に何度も心を打たれた。たくさんの人々の愛や夢を背負ってしょったんは奇跡に挑む。夢を持っている人も、そうでない方も、心熱くなるに違いない感動の実話である。

予告動画

「泣き虫しょったんの奇跡」9月7日公開 

原作:瀬川晶司「泣き虫しょったんの奇跡」(講談社文庫刊)
監督・脚本:豊田利晃(『青い春』『クローズEXPLODE』)
音楽:照井利幸

キャスト:
松田龍平 野田洋次郎 永山絢斗 染谷将太 妻夫木聡 松たか子 イッセー尾形 小林薫 國村隼

上映時間:127分

配給:東京テアトル

公式サイト

(C)2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 (C)瀬川晶司/講談社

投稿者プロフィール

Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなので映画レビューサッポロのライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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