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画家 熊谷守一 94歳 もっと生きる もっと描く『モリのいる場所』あらすじ 感想

作品紹介

‘時流にも無頓着、まるで少年のように自分のやりたいことだけに夢中
「仙人」と呼ばれた画家・モリ94歳。
ともに人生の荒波を乗り越え、ちょっと変わった夫との暮らしを楽しんでいる(?)
笑顔がチャーミングな妻・秀子76歳。
画家が愛する庭と小さな生命たち、
老夫婦のお茶の間に集う人々のある夏の日。
それは、愉しくて、温かくて、かけがえのない物語。

ストーリー

“昭和49年、東京・池袋。老夫婦に魅せられて、若い写真家さんやら画商さんやら近所の人やら得体の知れない人やら…熊谷家はいつも賑やか。今日もまた、モリとモリを愛する人々の、なんでもない、でもちょっとオカシナ一日が始まる-
仕事や、家庭や、いろいろと大変な現代。ほんのひととき、
あなたもモリの庭で深呼吸してみませんか?”

試写の感想

昭和49年夏、画家熊谷守一のある一日。
舞台はほぼ、熊谷家の庭と茶の間。
朝から電話が鳴り、次々といろいろな訪問客が訪れ賑やかだけれど、優しくゆったりとした時間が流れていく…。
私もそこにお邪魔させていただき、隅っこに座って一緒に笑ったり、驚いたり、のんびりしたり、ゆるやかな時間を共有させていただいた気分になりました。
絵画に全く造詣がなく、この映画を観るまで“熊谷守一”という画家を全く知らなかったが、人間としての“熊谷守一さん”、そして妻の“熊谷秀子さん”、この二人に、そしてこのご夫婦の有り様に深く深く魅了された。
モリは、本当に純粋で真っ直ぐ、周りの生き物や自然をひたすら真剣に見つめ続ける。地面に寝そべって、動き回る蟻をじーっと見つめ続ける白髪でヒゲの伸びた老人…、どう見ても仙人というか変人(笑)にしか見えないモリ。いつも大真面目なのだが、とてもチャーミングなモリの言動に思わず笑みがこぼれる。
そんな夫を50年以上支えてきた妻秀子。なんの気負いも衒いもなく飄々とした中に、凛とした強さが美しい。ときには夫の行動に呆れたり、またあるときはしっかりと手綱を握り仕事に向かわせたり、でもその奥には夫への深い愛情、優しい眼差しがある。
この二人を演じるのは山崎 努と樹木希林、もうこれしかいないという最高のキャストだ!!
脇を固めるキャストも演技派揃い。そしてどの登場人物も面白すぎる、愛すべき人たちだった!!
モリの家の庭が、この映画のもう一つの主人公だと思う。さまざまな植物がのびのびと育ち、その中を生き物たちが自由にのんびり暮らしている。どこから何が飛び出してくるのか、ワクワクドキドキさせられるワンダーランド、まさに小宇宙だ。
ぜひあなたも、この不思議で心温まるモリの庭へ足を踏み入れてほしい。

キャスト: 山﨑努、樹木希林、加瀬亮、吉村界人
監督・脚本: 沖田修一
公式サイト
上映時間:99分
製作年: 2017年
配給:日活
(c)2017「モリのいる場所」製作委員会

投稿者プロフィール

Kazue
好きな映画はサスペンスや冒険映画です。趣味はヨガ。好きな映画は『最強のふたり』『マリーゴールドホテル』『女神は二度微笑む』好きな俳優はモーガン・フリーマン、オードリー・ヘップバーン、メリル・ストリープです。
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