2018年11月21日
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オートクチュールの愛のかたち『ファントム・スレッド』あらすじ 感想

  • 2018年4月12日

作品紹介
【アカデミー賞6部門ノミネート!】
ダニエル・デイ=ルイス引退作!×ポール・トーマス・アンダーソン監督最新作。1950年代、ロンドン。天才的な仕立て屋のミューズとなった、若きウェイトレス。運命の糸が紡ぎ出す、オートクチュールな愛のかたち。

本年度アカデミー賞®の主演男優賞にノミネートされたダニエル・デイ=ルイスは、過去『マイ・レフトフット』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『リンカーン』で史上最多となるアカデミー賞®主演男優賞を 3 度受賞し、本作をもって俳優業の引退を表明している。 

 

ストーリー

舞台は 1950 年代のロンドン。英国ファッションの中心的存在として社交界から脚光を浴びる、オートクチュールの 仕立て屋 レイノルズ・ウッドコック。
ある日、レイノルズは若きウェイトレス アルマと出会う。互いに惹かれ合い、 レイノルズはアルマをミューズとして迎え入れ、魅惑的な美の世界に誘い込む。
しかしアルマの出現により、完璧で 規律的だったレイノルズの日常に変化が訪れ…。やがてふたりがたどり着く、究極の愛のかたちとは―。

試写の感想

その世界観にたちまち魅了されてしまう。
ロンドンを舞台としたオートクチュールの世界。
歴史ある建物の風景、上流階級の女性が纏う豪奢なドレス、麗しい英国式朝食にも憧れを募らせてしまう。

 

社交界で成功しているドレス製作者のレイノルズは、ファッション・デザイナーと呼ぶには職人気質の強い感がある。このエレガントでチャーミングな英国紳士を演じるのは、ダニエル・デイ=ルイス。本作品で俳優業の引退を表明しているとは惜しまれることだ。

 

過去の作品でもアカデミー賞やゴールデングローブ賞など華々しい受賞歴を誇る彼が、映画スターであると同時に熟練の靴職人でもあるというエピソードは出来すぎではないだろうか。

 

デイ=ルイスは仕立て屋という役柄を演じるためにニューヨーク・シティ・バレエ団の衣装監督の元で洋裁の修行を積み、スーツの複製までもマスターしたという。一流のスター達が作品に懸けるエネルギーにはいつも尊敬の念にかられる。

 

ルイスが演じるレイノルズは田舎のレストランでウェイトレスのアルマを見初める。出会った瞬間から惹かれ合うその場面は完璧で、人物達のときめきが伝わってくるようだった。きっと、「マイ・フェア・レディ」のようなストーリーなのではと思わせられたが・・・

 

英国ファッション界で確固たる地位を築いたレイノルズは、ハンサムで金持ちな成功者というだけではなかった。一癖も二癖もある性格はいくぶん発達障害の傾向が強いように見える。彼を支えてきたのが有能な姉であったこと、周囲のスタッフも包容力のありそうな年配女性が多かったこともある意味リアリティがあった。

 

彼がその才能、能力を発揮しやすいよう周囲は細心の注意を払ってきたのだろうが、アルマはそんな彼の世界に染まらないどころか、容赦なく踏み荒らしてゆく。ただでさえギャップの芽生えそうな年の差カップルなのに、この二人の関係性がどう変化してゆくのかは大きな見どころとなる。

 

ラブストーリーかと思いきや、次第に緊迫した空気が漂い、実はサスペンスだったのだろうか・・・?と不思議な気持ちにさせられたが、この男女のたどり着く先が最後まで見えないところはまさにミステリーでもあった。

 

愛と狂気、芸術への探求心は紙一重の位置にあることをナチュラルに表現してみせた力ある作品だった。

 

予告動画

 

2018年5月26日 シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMA、新宿武蔵野館 ほか全国ロードショー!

原題・英題: PHANTOM THREAD
監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ダニエル・デイ=ルイス、ヴィッキー・クリープス、レスリー・マンヴィル

音楽:ジョニー・グリーンウッド
2017 年/アメリカ/130 分/カラー/ビスタ ユニバーサル作品
配給:ビターズ・エンド/パルコ

公式サイト

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投稿者プロフィール

Kana
Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなのでHMRライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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