2018年11月21日
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ナンシー・ケリガン襲撃事件の真相【アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル 】あらすじ 感想

  • 2018年3月16日

 

第90回アカデミー賞 【助演女優賞】アリソン・ジャネイが受賞!!

作品紹介

貧しい家庭にて、幼いころから厳しく育てられたトーニャ・ハーディン(マーゴット・ロビー)。
その才能と努力でアメリカ人初のトリプルアクセルを成功させ、92年アルベールビル、94年リレハンメルと二度のオリンピック代表選手となった。
しかし、彼女の夫であったジェフ・ギルーリー(セバスチャン・スタン)の友人がトーニャのライバルであるナンシー・ケリガンを襲撃したことで、彼女のスケート人生の転落が始まる。
一度は栄光を掴みアメリカ中から愛され、そしてフィギュア界から追放され、プロボクサーへ転身したトーニャの波乱万丈な半生を描いた物語。

試写の感想

1994年当時、連日の大騒動であった「ナンシー・ケリガン襲撃事件」。記憶にある方ならもちろん興味を惹かれるだろう。事件を知らない方にとっても、十分に面白い作品のはずだ。

 

スケート選手の元夫が、ライバル選手を襲撃するという非常にショッキングな事件で、襲った側の選手は“ハーディング”と呼ばれていた。彼女の名前がトーニャということは記憶になかった。

 

関係者からの詳細なインタビュー、膨大なリサーチを踏まえて制作された本作品を鑑賞すると、例の事件についていかに何も知らなかったかを思い知らされる。トーニャ・ハーディングについて知るほど彼女に同情するし、憎めなくなってしまう。

 

主人公のトーニャを演じるのはマーゴット・ロビー。27歳という若さ、美貌の新進女優というイメージだが、この作品では主演に加えプロデューサーまでこなしている。脚本を読んだ彼女は事件を知らず、“なんとクリエイティブな脚本家だろう”と思ったという。

 

彼女の演技はコミカルで、波乱に満ちたトーニャの暗くなりがちなエピソードをあっけらかんと演じている。スケートのシーンは大迫力で、一体どのように撮っているのかと驚いた。マーゴットは撮影の4か月前から、週5回、1日4時間の猛特訓を行っていたという。努力を惜しまぬ役者魂に感服だった。

 

トーニャの母親ラヴォナ役のアリソン・ジャネイは非常にインパクトある存在だ。強烈なキャラクターを怪演し、まるで本人そのもののように思えてしまう。今作品で、ゴールデングローブ賞とアカデミー賞の助演女優賞を受賞しているのも納得だ。

 

貧しい生い立ち、暴言、暴力も当たり前の厳格すぎる母親に育てられ、幼い頃から恵まれなかったトーニャ。母や恋人から暴力を受けても自分のせいだと思い込み、愛に飢え、初めて付き合ったDV男と結婚してしまうほどに一途で不器用だった。

 

不遇のもとでスケートの才能を発揮し、一生懸命に生きていた。型破りのスタイルで差別を受けながらも、伊藤みどり元選手に次いで世界で二人目となるトリプルアクセルに成功した・・・

 

栄光と転落の軌跡をコミカルなタッチで描きつつも、親子、夫婦の複雑な感情が絡み合う切ないドラマが展開され、心痛む場面もあった。ことの真相は計り知れないが、トーニャ・ハーディングについてもっと知りたくなり、幸せを願ってしまう。

 

世界で最も悪名高いアスリートとして憎まれ、社会的に葬られた彼女に再び光を当てられたことは奇跡ではないだろうか。

 

スキャンダルにまみれ、その大部分が不幸にも見える彼女の人生が、一流のアーティストたちによって映画化されたこともまた数奇である。これからの彼女には、並以上の幸せをつかみ取って欲しいと思う。

予告動画

 

原題・英題: I,Tonya
主演:マーゴット・ロビー セバスチャン・スタン アリソン・ジャネイ
   マッケナ・グレイス 他
監督:クレイグ・ギレスビー 脚本:スティーブ・ロジャース クレイグ・ギレスビー
配給:ショウゲート
上映時間:120分
上映区分:PG12指定

2018年5月4日日本公開

公式サイト

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投稿者プロフィール

Kana
Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなのでHMRライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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