2018年11月21日
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スティーブン・スピルバーグ監督【ペンタゴン・ペーパーズ/ 最高機密文書 】あらすじ 感想

  • 2018年3月5日

国家の最高機密文書<ペンタゴン・ペーパーズ>。

なぜ、アメリカ政府は、4代にわたる歴代大統領は、30年もの間、それをひた隠しにしなければならなかったのか―

ストーリー

1971年、ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国内には反戦の気運が高まっていた。国防総省はベトナム戦争について客観的に  調査・分析する文書を作成していたが、戦争の長期化により、それは7000枚に及ぶ膨大な量に膨れあがっていた。

ある日、その文書が流出し、ニューヨーク・タイムズが内容の一部をスクープした。

ライバル紙のニューヨーク・タイムズに先を越され、ワシントン・ポストのトップでアメリカ主要新聞社史上初の女性発行人キャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)と編集主幹ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)は、残りの文書を独自に入手し、全貌を公表しようと奔走する。真実を伝えたいという気持ちが彼らを駆り立てていた。

しかし、ニクソン大統領があらゆる手段で記事を差し止めようとするのは明らかだった。政府を敵に回してまで、本当に記事にするのか…報道の自由、信念を懸けた“決断”の時は近づいていた。

試写の感想

 

スティーヴン・スピルバーグ監督、メリル・ストリープ、トム・ハンクス主演のノンフィクション。多くの方にとって、予告を観るまでもなくぜひ鑑賞したいと思わせるのではないだろうか。

 

スピルバーグ監督と言えば、「インディ・ジョーンズ」シリーズや「ジュラシック・パーク」等のアクション、SF作品のビッグネームのイメージだが、数々の政治的、社会的作品も手掛けており、「シンドラーのリスト」ではオスカーを受賞している。扱うテーマも多岐に渡り、特定のジャンルに偏ることなく才能を発揮し続けている。

 

監督はすでにSF大作「レディ・プレーヤー1」の制作準備段階にあったが、「ペンタゴン・ペーパーズ」の脚本を読むなり“いますぐにこの映画を作らなければ”と直感が働き、それまでの予定を大きく変更したという。主演として声をかけたメリル・ストリープとトム・ハンクスも奇蹟的にスケジュールが空いていて、異例のスピードで映画化が実現した。撮影の裏側もミラクルなエピソードが満載である。

 

実話に基づくストーリーはドラマティックこの上ないが、伝説的存在となっている実在の人物達を演じる役者陣の仕事は素晴らしい。モデルの人物について綿密なリサーチを重ね、その内面までも深く掘り下げ演じ切る姿に感銘を覚えた。

 

メリル・ストリープと言えばハリウッドを代表する大女優だが、その演技の幅はとどまるところを知らない。今回の主人公は、今や世界にその名を轟かせる新聞社「ワシントン・ポスト」の社主という役柄だが、この新聞もかつては二流のローカル誌的な扱いだったという。

 

1971年、キャサリン・グラハムは「ワシントン・ポスト」の社主だったが、もともと彼女は専業主婦だった。亡き父、亡き夫の遺志を継ぐという形でこの新聞社のトップになったが、この時点ですでに過酷な決断を強いられるドラマであったに違いない。それまで子育てをメインにしていたなんの経歴もない主婦がコンプレックスを抱えながら奮闘する姿をメリル・ストリープが好演している。

 

男性社会の真っただ中、勝ち気で勇ましいという風ではなく、上品で穏やかな、親しみやすくあくまで女性らしい彼女が、いかにして伝説の社主に変貌を遂げるのか、大きな見どころとなる。

 

「ワシントン・ポスト」のもうひとりの伝説的人物、ベン・ブラッドリーを演じるのは名優トム・ハンクス。彼の演技にもまた、これまでのイメージを覆された。負けん気が強くバイタリティーあふれるベンを演じるトム・ハンクスを目にして、ベンの奥さんは泣き出してしまったという。亡き夫が生き返ったようだとその妻が言うほどに、本人に似ていたという。

 

報道に携わる人々の使命感、勇気あふれる行動は当時の人々にも勇気と感動を与えた。伝説の人々は最初から伝説的な人物ではなく、悩み、困難を強いられながら成長してゆくものなのだと知った。歴史的瞬間のドラマに立ち合ったかのような感動を覚える、そんな作品である。

 

予告動画

3月30日、札幌シネマフロンティア、ユナイテッドシネマ・札幌

ディノスシネマズ札幌劇場ほか全国ロードショー!

監督: スティーヴン・スピルバーグ     
製作:エイミー・パスカル、スティーヴン・スピルバーグ、クリスティ・マコスコ・クリーガー
脚本:リズ・ハンナ、ジョシュ・シンガー
音楽:ジョン・ウィリアムズ         
キャス ト:メリル・ストリープ、トム・ハンクス他
上映時間:116分
原題:The Post
配給:東宝東和
公式サイト

©Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC

投稿者プロフィール

Kana
Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなのでHMRライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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