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新参者シリーズ最終章「祈りの幕が下りる時」阿部寛主演 あらすじ 感想

 

作品紹介

 加賀恭一郎はなぜ「新参者」になったのか―
2010年4月に連続ドラマとしてスタートした東野圭吾原作の「新参者」シリーズ。
阿部寛演じる日本橋署に異動してきた刑事・加賀恭一郎が、謎に包まれた殺人事件の真犯人を探すというミステリー要素と、事件の裏に隠された人の心の謎を解くというヒューマンドラマ要素がこれまでにない“泣けるミステリー”として大きな話題に。

その後、2本のスペシャルドラマ「赤い指」「眠りの森」が製作され、さらには『麒麟の翼 ~劇場版・新参者~』が公開されるなど人気シリーズとなった。

しかし、これまで加賀の類稀なる推理力で様々な事件が解決されているものの、未だ明かされていない謎がある―――彼が日本橋に留まる理由。父との確執、そして母の失踪―――加賀自身における“最大の謎”が、映画『祈りの幕が下りる時』で明らかになり、ついに「新参者」シリーズが感動のフィナーレを迎える。

吉川栄治文学賞も受賞した本作で描かれる加賀とある女性演出家(松嶋菜々子)の出会い。
その演出家の周りで起こる不可解な事件。数々の人生が絡み合う謎。
加賀恭一郎はなぜ「新参者」になったのか―――

ストーリー

この事件は俺の過去と関わりが強すぎる。
事件の鍵は俺なのか・・・?

東京都葛飾区小菅のアパートで女性の絞殺死体が発見される。被害者は、ハウスクリーニングの会社で働く滋賀県在住の押谷道子。殺害現場となったアパートの住人・越川睦夫も行方不明になっていた。
松宮(溝端淳平)たち警視庁捜査一課の刑事たちが捜査にあたるが、押谷道子と越川睦夫の接点が全く見つからず、捜査が難航する。滋賀在住の押谷が何故東京で殺されたのか。
やがて捜査線上に浮かびあがる女性演出家・浅居博美(松嶋菜々子)。押谷は浅居博美を訪ねて東京に来たことがわかるが、浅居博美と越川睦夫の間にも接点がなく、捜査は進展しない。
松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、捜査を進めるうちにその遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることを発見する。その事実を知った加賀恭一郎(阿部寛)は激しく動揺する。
それは失踪した加賀の母に繋がっていた。

感想

東野圭吾原作の『新参者』ドラマシリーズ。何故、加賀恭一郎が警視庁から日本橋の所轄の刑事(新参者)となったのか?
加賀刑事が抱える子供の時代からのトラウマや、彼の刑事としての成り立ちと、日本橋という地にこだわる理由が明らかとなる。

同じ時期に起きた二つの殺人事件から、加賀の家族と繋がるもうひとつの家族の謎を追っていく。

ある父娘の転落と地獄のような生活。生きる上で犯してしまった不本意な殺人と、心を締めつける悲しい物語が一連の事件とリンクする。

キーパーソンとなるのは、加賀の実の母親と女性演出家・浅居博美。
原作を知らない観客は、複雑な家族の物語に頭を悩ませることだろう。

後半、加賀の謎解きで判明する加賀の母親と事件の関連や、その経緯と事実には愕然とする。誰が悪いのだろう?ただ不運な人々の物語である。

物語の中で巻き起こる非日常の偶然…それが故に起きてしまう殺人。生きるため大事な人を守る親子愛の深さと、運命にもてあそばれる様子には、辛くて悲しい余韻が残ってしまう。

前半は事件の謎がさっぱりと推測できずにいたが、後半は加賀の嘘から真実を暴くという推理がひらめき、スピード感あるサスペンスミステリーとなっている。

テレビ版同様、日本橋のグルメや美しい街並み、神社など風景も楽しめる映画となっている。久々に東京に行って、ロケ地巡りを楽しんでみたい。

予告動画

【キャスト・スタッフ】
阿部寛 松嶋菜々子 溝端淳平 田中麗奈 伊藤蘭 小日向文世 / 山崎努

原作:東野圭吾「祈りの幕が下りる時」(講談社文庫)
監督:福澤克雄 
脚本:李正美
上映時間:119分

公式サイト

(C)2018 映画「祈りの幕が下りる時」製作委員会公開日

 

投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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