2018年5月21日
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パブロ・ネルーダの逃亡生活を描いた『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』‬感想レビュー

作品紹介

詩人として1971年にノーベル文学賞を受賞した、チリの詩人で共産主義の政治家パブロ・ネルーダの伝記映画。国外逃亡を余儀なくされて生涯の大半を逃亡生活に費やした彼のある1年に焦点をあて、弾圧のなかで彼がいかに代表作「大いなる歌」を生み出したのかに迫る内容だ。ネルーダ役を、チリで人気コメディアンとしても活躍するルイス・ニェッコが、ネルーダを追う警官ペルショノー役を、『ノー・エスケープ 自由への国境』ガエル・ガルシア・ベルナルが演じている。監督は「NO」「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」を手がけたチリの俊英パブロ・ラライン。

ストーリー
第2次世界大戦の終結から3年、ビデラ大統領は共産党員のネルーダを弾劾した。逮捕されるか逃亡するか?

大統領は直接警官ペルショノーに、ネルーダの逮捕を命じる。

ネルーダは追われる身としての新たな生活にインスピレーションを受けながら、代表作となる詩集、「大いなる歌」を書く。

ペルショノーが追いつくと姿をくらます、追いかけっこの連続だ。

ネルーダはわざと手がかりを残すことでペルショノーと戯れ、追跡ゲームはより危険なものに、ふたりの関係はより密接なものになっていくのだった・・・

試写会の感想

20年以上前に観たイタリア映画。
イタリアの小さな島で詩人と郵便配達人との交流を描いた美しい映画
詩人はパブロ・ネルーダだった。

島民に愛され、青年に詩の手ほどきをし世界中のファンから郵便物が届く魅力的で穏やかな老人。

この作品はチリの詩人でノーベル文学賞受賞者ネルーダが亡命に至るまでの逃亡劇を焦点に、追う者と追われる者どちらがこの逃亡劇を支配するのかサスペンスとして描かれる。

愛と革命の詩人としての苦悩が逃亡の最中に享楽に溺れる姿に見てとれる。刹那のはてに母に甘えるように妻の胸で眠る、そこには弱者から支持を受ける革命家では無く、現状に苦悩する一人の男の姿がある。

追跡者に自ら手掛かりを残して行く、まるでゲームを楽しむように
どちらが主役か脇役か、追う刑事もまた苦悩に満ちた詩人なのだ。
まるでネルーダの分身の様に見えてくる。

祖国を離れ穏やかな生活を送る中でも、逃亡劇の主人公はどちらであったのか思い返していたに違いない。

詩人にふさわしい美しく悲しげな風景、魅力的なキャスト、心に残る作品です。

予告動画

12月16日(土)より、シアターキノ 他 全国ロードショー

監督: パブロ・ラライン
出演: ルイス・ニェッコ/メルセデス・モラーン/ガエル・ガルシア・ベルナル
製作年: 2016
製作国: チリ=アルゼンチン=フランス=スペイン
配給: 東北新社、STAR CHANNEL MOVIES
上映時間: 108分
ⒸFabula, FunnyBalloons, AZ Films, Setembro Cine, WilliesMovies, A.I.E. Santiago de Chile, 2016

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まっき

まっき

多感な乙女の時期にヌーヴェルバーグ、イタリアチネッチタ、ブリティッシュニューウェーブと、西欧にどっぷりはまる。カルトB級大好物の歴史を経て、今に至る。現在は好き嫌い無しの、雑食系に推移しております。