2018年11月18日
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『新世紀、パリ・オペラ座』オペラ座ドキュメンタリー映画史上No.1記録樹立!

  • 2017年11月7日

 

 

『パリ・オペラ座のすべて』『ミルピエ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』を越え、オペラ座ドキュメンタリー映画史上No.1記録樹立!

作品紹介

世紀の瞬間を目撃する興奮、
圧巻のパフォーマンスに酔いしれる贅沢。
芸術の殿堂がたどりついた<新世紀>とは――。
2017年モスクワ国際映画祭 ドキュメンタリー映画賞受賞作品!

STORY

フランスが誇る芸術の殿堂パリ・オペラ座は迷っていた。ルイ14世の時代から350年以上にわたる伝統を守ってきた彼らにも、時代の波は容赦なく押し寄せる。選ぶべき道は、歴史の継承か、新時代の表現か。

さらに史上最年少でバレエ団芸術監督に大抜擢され、“ナタリー・ポートマンの夫”としても注目を集めていたバンジャマン・ミルピエの1年半での電撃退任と、カリスマ・エトワール:オレリー・デュポン就任というマスコミをも巻き込んだ大騒動。そして2015年11月、パリの劇場が襲撃された同時多発テロ。混迷を極めた今の時代に、彼らは自問し続ける。「今、オペラ座に求められるものは何なのか――?」

パリ・オペラ座公式プロデュース作品となる本作は、世界最高レベルのバレエダンサーやオペラ歌手のパフォーマンスだけでなく、経営陣の苦悩、公演2日前の主要キャスト降板劇に奔走するスタッフ、オーディションでの新しい才能の誕生、そして衣裳係、清掃係の表情まで、パリ・オペラ座の栄光を支えるすべての人々を温かい眼差しで描きあげる。

至福のパフォーマンスに酔いしれる贅沢、そして劇的な人間ドラマを目の当たりにする興奮。あふれる芸術愛と人間愛に満たされる、かつてない劇場体験がここにある――。

<本作を飾る音楽の数々>

ニュルンベルクのマイスタージンガー(ワーグナー)
タンホイザー(ワーグナー)
ドン・ジョヴァンニ(モーツァルト)
モーゼとアロン(シェーンベルク)
弦楽四重奏曲 第3番・第4番(バルトーク)
フィガロの結婚(モーツァルト)
ドン・キホーテの4つの歌(イベール)
ラ・バヤデール(ミンクス)
マズルカ(ショパン)
ファウストの劫罰(ベルリオーズ)
リゴレット(ヴェルディ)
交響曲第7番(ベートーヴェン)
青ひげ公の城(バルトーク)
愛の妙薬(ドニゼッティ)
他…

試写会の感想

舞台好き、芸術好きの方にはたまらないドキュメンタリーではないだろうか。
バレエやオペラ、他のあらゆる劇場の舞台で、通常は客席からその完成を眺めるのみで酔いしれてしまうものだが、この作品はそれらの舞台裏がメインのドラマだ。

 

創作されたストーリーではなく、セリフではない実際の会話。オペラ座の日常を1年半にわたって追い続けた貴重な場面の数々を見ることができる。

 

きらびやかな舞台のその裏で、演者や指導者といった表舞台に立つ人々のたゆまぬ訓練風景、さらにはクリーニング作業員や調理場スタッフ、清掃員にいたるまでオペラ座で働くあらゆる人々を映し出してゆく。

 

パリ・オペラ座のトップである総裁ステファン・リスナーは最重要人物のひとりだ。
オペラ座の、というよりはパリにおいて、フランスにおいて、あるいは世界の芸術界にとって殿上人的存在であるのは間違いない。数々の劇場や芸術の場での敏腕ぶりを認められた彼の仕事をうかがえるのは貴重な体験と言える。

 

舞台の裏側では、日々難儀なトラブルが勃発している。国からの予算削減やリストラの要請、従業員のスト、劇場を狙うテロの発生、重要な歌手の体調不良による直前の降板、指導者とアーティスト達の意見の衝突・・・他にも数えきれないほど、問題は日々多発している。客席から舞台を楽しむのみでは想像のつかない重責を、関係者たちは背負っていることを思い知らされる。

 

ドキュメンタリーのカメラマンがとらえた映像はおそらく膨大なものだろうが、映画として構成されたのはほんの一部の場面に過ぎないだろう。

 

その中で、若きバリトン歌手ミハエルのエピソードは印象深い。ロシア出身、ドイツの小さな街でキャリアを積んでいた彼が、パリ・オペラ座のオーディションに合格する。舞台を大都会パリに移し、フランス語を少しも話せない彼は、苦労しながらも才能を開花させてゆく。

 

イギリス人の大物バリトン歌手に会い、憧れの眼差しを向ける姿や、自分の歌声に失望する姿、のちにフランス語を操る姿など、彼ひとりの存在をとってもドラマが詰まっている。オペラ座には、そんな個々のドラマが無数に存在するのだろう。

 

オペラ座は芸術の場というだけではなく、常に政治的なポジションにも立たされている。演出における理由で選ばれた演目でも、政治的な意味を探られたり、国際的な立場をどう取るかといった配慮に迫られる。

 

フランスという国において芸術の果たす役割は、もはや国、文化そのものと言っても過言ではないだろう。他の劇場がテロの標的となった時にも上演を止めはしないと宣言した総裁ステファンのスピーチは感動的だった。

 

オペラ座を取り囲む人々の日常、それは日々起こっている数々の熱いドラマそのものだった。

 

予告動画

12月9日(土)より、札幌シアターキノ
Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー

監督: ジャン=ステファヌ・ブロンC
キャスト: ステファン・リスナー/オレリー・デュポン/バンジャマン・ミルピエ/フィリップ・ジョルダン/ロメオ・カステルッチ/ブリン・ターフェル/ヨナス・カウフマン/オルガ・ペレチャッコ/ミヒャエル・クプファー=ラデツキー/ジェラルド・フィンリー/ミハイル・ティモシェンコ/アマンディーヌ・アルビッソン/エルヴェ・モロー/ファニー・ゴルス

原題: L’Opera

製作国:フランス
配給会社:ギャガ
上映時間:111分

公式サイト

 © 2017 LFP-Les Films Pelléas – Bande à part Films – France 2 Cinéma – Opéra national de Paris – Orange Studio – RTS

投稿者プロフィール

Kana
Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなのでHMRライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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