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菅田将暉、桐谷健太 主演「火花」

 

 

作品紹介

第153回芥川賞受賞作「火花」(又吉直樹著)が映画化!

原作は、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹の初純文学作品。漫才の世界に「夢」を持って身を投じるも、結果を出せず底辺でくすぶっている青年【徳永】と、強い信念を持った先輩芸人【神谷】が出会い、「現実」の壁に阻まれ、「才能」と葛藤しながら歩み続ける青春物語です。掲載された雑誌「文學界」は驚異的な売り上げを記録。「第153回芥川賞」を芸人として初めて受賞する快挙を達成するなど、発売当初から大きな話題となりました。2016年6月からNetflixでドラマ化され、さらに同ドラマがNHKで連続ドラマとして放映されるなど、ますます注目を集めています。

そんな本作の監督を務めるのは、又吉の大先輩でもある板尾創路。2010年に『板尾創路の脱獄王』を監督。初長編監督作品にも関わらず、釜山国際映画祭をはじめとした国際映画祭などに出品され、第29回藤本賞・新人賞と、第19回日本映画批評家大賞・新人監督賞を受賞。2012年には、2作品目となる『月光ノ仮面』を監督。俳優からも監督としての才能を高く評価され、映画監督の平山秀幸、是枝裕和らもその演出を絶賛しています。又吉が創造した<芸人>の世界を廣木監督とは違う観察眼で映像化できるのは、同じ芸人であり、又吉からの信頼も厚い板尾監督しかいないとの声に快諾し、彼ならではの視点を盛り込みながら映画「火花」を新たに創造します。

板尾と共に脚本を作り上げるのは映画監督の豊田利晃。(『青い春』、『クローズEXPLODE』

俳優として長年付き合いのある板尾からのラブコールにより、映画監督の豊田に脚本のみという形で参加してもらうことが決定しました。豊田自身も約20年ぶりの試みとなります。
【徳永】を演じるのは、若手随一の演技派・菅田将暉。2016年だけで9本の映画に出演し、テレビドラマ、CM、バラエティ番組とその姿を見ない日はないほどの活躍ぶり。2017年も主演作『キセキ―あの日のソビト―』(1月28日)、『帝一の國』(4月29日)が公開され、今最も勢いのある若手実力派俳優が、まったく芽が出ない若手お笑い芸人を演じます。

先輩芸人【神谷】を演じるのは、個性派俳優・桐谷健太。数々の作品でその圧倒的な存在感が見るものをひきつけると同時に、2016年紅白歌合戦に出場するなど、お茶の間でも広く愛される存在。

【徳永】の師匠となり、強い信念によって“真の笑い”を追求する芸人を演じます。
共に今を時めく人気俳優であることに加え、「舞台に立ち、人を笑わせる“漫才師”としての存在感」、「目指した“夢”を前に惑い、突き進む危うさ」を表現できる稀有な俳優として、二人に白羽の矢が刺さりました。

【神谷】の恋人ヒロイン【真樹】を演じるのは、自然体な雰囲気と透明感で男女ともに愛される木村文乃。
売れない【神谷】を支え、【徳永】にも優しく接しながらも、二人の人生の転換の引き金となる切ない存在ともなる美しい女性を演じます。

【徳永】とコンビを組む「スパークス」のツッコミ担当【山下】役には川谷修士(2丁拳銃)
【神谷】とコンビを組む「あほんだら」のツッコミ担当【大林】役には三浦誠己。

「漫才コンビのツッコミ役は、ボケ役よりも高度なお笑いの技術が要求されるため、経験者を入れたい」という板尾監督のこだわりにより、2人がキャスティングされました。
菅田と桐谷は映画初共演ですが、auのCM「三太郎」シリーズの【鬼ちゃん】、【浦ちゃん】でもお馴染みのコンビ。

お茶の間でも人気者の2人のかけあいに注目が集まります。また菅田、桐谷ともに大阪出身であり、撮影前に入念な稽古を行うことも予定されている。それぞれのコンビが魅せる関西弁の台詞や漫才シーンにも期待が高まります。

 

ストーリー

若手コンビ「スパークス」としてデビューするも、まったく芽が出ないお笑い芸人の徳永(菅田将暉)は、営業先の熱海の花火大会で4歳上の先輩芸人・神谷(桐谷健太)と出会う。神谷は、「あほんだら」というコンビで常識の枠からはみ出た漫才を披露。それに魅了され、徳永は神谷に「弟子にしてください」と申し出る。神谷はそれを了承し、「俺の伝記を書いて欲しい」と頼む。その日から徳永は神谷との日々をノートに書き綴ることに。

その後徳永は、拠点を大阪から東京に移した神谷と再会。毎日のように芸の議論を交わし、神谷の同棲相手である真樹(木村文乃)とも仲良くなり、仕事はほぼないが才能を磨き合う充実した日々を送るように。しかし、いつしか2人の間にわずかな意識の違いが生まれ始める―。

 

試写会の感想

〈第153回芥川賞〉を受賞した、ピース又吉直樹 初純文学作品「火花」
単行本・文庫本累計部数300万部を突破し日本中で話題になったこの作品は、普段あまり読書をしないという人でも読んだ事があるのではないだろうか。
それぞれの才能を認めつつも悶々とした日々を送る芸人達の、夢と現実の間で揺れ動くコンビ愛や泥臭くも魅力的な師弟関係を描いた10年間のヒストリー。

若手コンビ”スパークス”のボケ担当 徳永役に菅田将暉、先輩芸人”あほんだら”のボケ担当 神谷役に桐谷健太。
2人が作り出す空気はまさに師弟関係そのものに見える。
板尾創路監督作品という事も、キャストに川谷修士・三浦誠己を配したのも良かった。
文章で読み・感じ・想像していた時よりも、映像として観た時の方が伝わりやすい。
この「火花」の世界をうまく表現するにはお笑い芸人のテンポ感は勿論、一般的な笑いと芸人間での笑いとのズレというものが必要不可欠だ

彼等の夢は漫才師としてお笑いの世界で結果を出す事。
ファンは勿論、同期や先輩・後輩、劇場のスタッフなど、沢山の人達がいたからこそ続けてこられた10年間。
スパークス最後の漫才は胸にくるものがあった。

夢を追い夢に破れ、それでも必死で生きていく。
苦しい時に支えてくれたヒロイン 真樹の存在も重要で、明るくて我慢強い彼女がくれる微かな光がこの映画の切なさを浮き彫りにする。
観ているうちに真樹の幸せを願う自分がいた。

主題歌もなかなかニクい。
ビートたけしの名曲『浅草キッド』を主演の2人がカバーしたもので、この映画の2人 徳永と神谷そのものだ。
この曲ありきで脚本を作ったという板尾監督の想いも伝わってきた

何かに夢中になる事は美しい。
辛く苦しい出来事も多く、夢を追い続ける事が難しくなって途中で諦めたとしても。
そう思える作品だ。

 

  

 

予告動画

キャスト・スタッフ

・菅田将暉
・桐谷健太
・木村文乃
・川谷修士
・三浦誠己
・加藤 諒
・高橋 努
・日野陽仁
・山崎樹範

原作:又吉直樹著「火花」(文藝春秋 刊)
監督:板尾創路(『板尾創路の脱獄王』、『月光ノ仮面』)
脚本:板尾創路、豊田利晃(『青い春』、『クローズEXPLODE』)

2017年11月23日 全国東宝系にてロードショー
道内公開劇場はコチラ
上映時間:121分
公式サイト
(C)2017「火花」製作委員会

投稿者プロフィール

兼平ゆきえ
兼平ゆきえ
映画・音楽・本 など 観たり聴いたり読んだりと忙しく過ごすのが好きなインドア派。恵庭発 北海道のMUSIC&ART情報サイト From E…代表。不定期で企画LIVEを開催。2018年7月から 恵庭市のコミュニティFM e-niwa にて、映画や音楽の話を中心とした番組『From E…LIFE(フロムイーライフ)』を放送開始。
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